横浜市の北西部に位置する地域医療を支えてきた134床のたちばな台病院。2024年6月からコミュニティホスピタル転換の取り組みがスタートしました。この地域で推進されてきた地域包括ケアシステム「あおばモデル」に必要とされる在宅医療と在宅医療のバックベッド機能を担う病院として期待されています。2025年度には総合診療医が新たに参画する予定で、その取り組みが本格化します。
病院概要
神奈川県横浜市青葉区たちばな台2-2-1
病床数:134床(急性期一般病棟)
標榜診療科:内科・循環器内科・人工透析内科・消化器外科・外科・ 整形外科・リハビリテーション科・脳神経外科・放射線科
併設:たちばな台クリニック
はじめに:地域の仲間と共に病院をつくるということ
Vol.1の記事でご紹介したとおり、たちばな台病院は、横浜市青葉区の地域包括ケアシステム「あおばモデル」を支える病院となることをコンセプトの一つとしています。そのため、当院が「あおばモデル」の中核として生まれ変わるにあたり、次の3つの柱を掲げています。
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総合診療の強化:地域の「かかりつけ」として、いざという時も安心を
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人材育成とDX推進:未来の医療を支える「人」と「仕組み」づくり
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地域づくり:病院から地域へ、そして地域と共に
これらについては、vol.2の記事で詳しくご紹介いたしました。今回はその中でも、「いざという時も安心を届ける医療体制の構築」をテーマに、地域にとって必要な病院の姿を地域の皆さんと一緒に考える取り組みをご紹介します。

1.あおばモデルと進める「病棟再編」
あおばモデルを運営する「青葉区在宅医療・介護保険委員会(あおばモデルWG)」は、構想当初から多職種がフラットに議論し、地域に求められる医療と介護の姿をともに考えるコミュニティとして機能しています。これまでもこのWGを通じて、地域に必要な仕組みや制度を協働でつくりあげてきました。
その「あおばモデル」が語られ始めてから、すでに10年以上が経過し、地域の患者構成やニーズも大きく変化しています。当院においても、高齢患者さんの増加に伴い、在院日数の延伸、ADLの低下、認知症を含む複合的な問題が増えています。今後このような傾向がさらに強まることが予想される中、これまでのやり方では病院も在宅医療提供者も支援が困難になることが懸念されます。
そこで私たちは、地域に本当に必要とされる病院機能とは何かを明らかにするため、あおばモデルWGで「たちばな台病院の役割」や「いざという時に安心できる連携体制」について、地域の皆さまと議論する場を設けました。

2.地域と共に考える“安心のかたち”
あおばモデルにおいても重要なテーマとなっている「高齢者救急への対応」を見据え、当院では急性期病棟の一部を地域包括医療病棟へと転換する計画を進めています。その構想についてWGでご説明した際には、「在宅患者の急な発熱や転倒時に柔軟に対応できるか」「誤嚥性肺炎の治療だけでなく、摂食・嚥下障害への評価や対応は可能か」「歯科医師や歯科衛生士と連携した口腔ケアができるか」といった、現場からの切実で具体的な声が数多く寄せられました。
中でも、「この病棟が“あおばモデル”を支えるバックベッドとして機能すれば、地域の安心感が大きくなる」との期待の声が印象的でした。いざという時に安心して過ごせる病院を、地域と共につくる。それこそが今回の病棟再編の最大の特徴です。

3.地域の声が、病院を育てる
たちばな台病院は、院内外・職種を問わず、同じ地域で暮らし働く仲間の声を大切にする病院を目指しています。そのため、あおばモデルWGや連携医療機関、介護事業者、地域の自治会などから寄せられる声を、具体的な病院機能に反映する取り組みを進めています。
医師については、臓器別専門医による「縦糸」と、総合診療医による「横糸」で、地域のセーフティネットを丁寧に紡ぐ体制を構築中です。さらに、フラットな多職種連携を実現する風土づくりにも取り組んでいます。
こうした「縦糸」と「横糸」が重なり合い“面”となることで、「医療的な判断だけでなく、ACPや生活支援にも応じられる」「外来・入院・在宅が切れ目なくつながる」といった、安心できる医療が提供できると信じています。

結び:“一緒に創る医療”に共感してくださる方へ
「あおばモデル」を支えるバックベッド機能を担うコミュニティ&コミュニティホスピタル(C&CH)として、総合診療医はその中核的な存在です。私たちは、地域の現実と向き合いながら、その声をかたちにし、地域の皆さまと共に歩み続けたいと考えています。
そして今、この挑戦を共に担ってくださる新たな仲間を募集しています。総合診療医として、あるいは医療・看護・リハビリ・相談支援を担うコメディカルとして、地域に根ざした医療に関わり、暮らしに寄り添いたいと考えている方をお待ちしています。
完成されたモデルではなく、これから一緒に作り上げていくプロセスを楽しみながら歩める仲間と出会えることを願っています。たちばな台病院は、CCH総診が運営する総合診療専門研修プログラム・新・家庭医療専門研修プログラムの連携施設です。見学・訪問も大歓迎です。地域とつながる医療の最前線を、ぜひ一緒に体験してください。
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